ホットドッグ ! 理想の BBQを解析

7 June, 2017


夏はすぐそこまで来ています。6月にドイツで開催された第2回6SigmaETユーザー会では「ビーチに繰り出し、ブラートブルストソーセージのBBQを楽しむにはいい季節だね」という話題になりました。言うまでもなく、熱設計に携わっている私たちにとって、CFD解析を行わずしてBBQをするなど考えられないことです。かくして、私は6SigmaETを使ってオリジナルのソーセージの熱解析を行い、理想的なBBQソーセージを目指すべく、最適な加熱条件を模索することにしました。

バーベキューグリルの優れたCADモデルを見つけることは、それほど大変ではありませんでした - Grabcad.comにTheodor Trust が作成したWeber Master Touch 57の素晴らしいモデルがありました。6SigmaGeometryを使ってStepファイルをインポートし、わずか数分で完璧なモデルを入手することができました。

しかし、 木炭のCADモデルを探すのはそう簡単ではありません。自作の木炭のモデルを作成すべきだったのでしょうが、練炭のモデルが見つかったので、そちらを利用することにしました。6SigmaETで木炭の“燃焼”過程についての明瞭な解析を行うことは不可能です。そこで、妥当と考えられるセ氏450度付近を均一温度とすることで解決しました。

熱挙動を正確に解析するには、ソーセージの熱的パラメータが揃っていることが必須です。幸運なことに、この種のデータを網羅したハンドブックがASHRAEにありました - Refrigeration Handbookにある‘Thermal Properties of Food’の章で、まさに私が必要としている情報を見つけました

  • 熱伝導率 = 0.4 W/mK
  • 密度 = 550 kg/m3
  • 比熱 = 3150 J/kg K

BBQ Simulation Sausages

 

それでは ー バーベキューで調理するソーセージは、どのようにモデル化すれば良いのでしょうか。

まず、”加熱”段階後のバーベキューグリル内部における気流と温度分布を把握するために、定常状態解析を行いました。 グリル(Weber)の蓋を閉じ、普段私がしているように、上下の通気口 を両方とも開いた状態で解析しました。Weberを使用する上で私が気に入っている点の一つは、換気の制御性の高さです – 換気口を完全に閉じることで、木炭を消火できます。

次にソーセージを加えました – ソフトウェアの魔法のような機能を使って、蓋を開けることなく、つまりバーベキューの温度を下げることなく、瞬時にソーセージを表示します。加熱に伴いソーセージの温度がどのように変化するかを調べるために、15分間1秒毎に解析を実行しました。そして、ソーセージに完全に火が通る、中心部/内部温度およそセ氏65度になるまで待ちました - Heston Blumenthal (イギリスの有名シェフ)なら、これでは火を通し過ぎだ!と言うことでしょう。

BBQAnimation

ソーセージの上下、中心部に取り付けたセンサーを使って、加熱の過程を見ることができます。まず最初に、グリルプレートに直接触れているソーセージの底面が上面より(そして、もちろん中心部より)早く加熱されるということが分かりました。ソーセージをグリルのどの位置に置いたかによっても変わりますが、わずか5分で底面の温度がセ氏107度~セ氏120度まで上昇したのに対して、上面はセ氏60度程度、そして中心部はたったセ氏40度までしか上昇しませんでした。

前述の通り、木炭により近く、温かい気流と放熱を直に受ける底面にはより早く火が通ります。上面は放熱がないため、ゆっくり火が通ります。すべてのソーセージの内部温度がセ氏65度~70度に達するには約10分かかりました – ソーセージをバーベキューグリルからおろすタイミングです。

ソーセージを裏返さない場合、底面の温度はおよそセ氏150度まで上昇しました – このままでは焦げてしまいます。15分程経つと、ソーセージは食べられない状態になります。

単純な話です。定期的にソーセージを裏返さない限り、底面は(そして、おそらく上面も)中心部に火が通る前に焦げてしまうということです。中心部は外側よりかなりゆっくり火が通るので、ソーセージに火が通ったかを外側だけで判断すると、内側には火が通っていないということになりかねません。裏返すということは - 蓋をとる必要があります- ソーセージの周囲の気流の温度を下げ、加熱の過程をゆっくりにします。つまり、中心部に火が通るまで待ったとしても、外側を焦がすことなく加熱することが可能となるでしょう。

もちろん、蓋をする、あるいは蓋をしないで加熱するという問題については、また別の話ということになるでしょう…。

6SigmaETプロダクトマネージャ Chris Aldham